『昼夜逆転』工作室
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ESP8684開発ボード兼ESP32汎用書き込み器

タイトル画像

2026年6月

前出記事「ESP8684の開発環境を準備する」の続きです。 ESP8684開発ボードを作成しました。以前に作成したESP32-C3開発ボードと似たものです。 書き込みに必要なピンを出してあるのでESPシリーズ汎用書き込み器としても使用できます。
参考記事: 「ESP32-C3-WROOM開発ボードとピッチ変換基板

書き込み器

書き込みツールがNodeMCU方式に対応していることを前提とした書き込み器です。 DTRとRTSとで、片方がLow/他方がHighのときにDownloadBootModeピンがGNDとなるような回路です。

マイコンのDownloadBootModeピンの変化より後にENピンが変化するよう、ENピンに遅延回路を入れます(GNDとの間に1uFのコンデンサ)。 またENピンは外部でプルアップする必要があります(3.3Vとの間に10kΩ程度の抵抗)。
この書き込み器に手動でDownloadBootModeに入るためのスイッチはありません。一方、リセットスイッチは便利なので付けてもよいと思います。
回路図

USB-シリアル変換IC

NodeMCU方式ではDTR/RTS信号が必須です。また、書き込みツールはDTR/RTSが負論理であることを想定しています。 これらの条件を満たすUSB-シリアル変換ICには、例えばCH340Kがあります。  ※秋月で安価に入手可能。
他にCH343やCP2102を利用したUSB-シリアル変換モジュールがあり、それらをCH340Kと置き換えてもよいと思います。
作成の様子(図はCH340データシートより)

CH340のデバイスドライバーをWindows11にインストールする方法

Windows11ではCH340のデバイスドライバーは適切にデジタル署名されていないと見なされ(WHQL)、インストールがブロックされます。 ここでは回避策を紹介します。なお、ドライバーがWindows11に対応しているCH343などを使用する方がトラブルは少ないでしょう。

前提

Windows 11 Pro / 25H2

メモリ整合性をオフにする

  1. スタートメニュー - 設定 - プライバシーとセキュリティ - Windowsセキュリティ - デバイスセキュリティ - コア分離
  2. 「コア分離の詳細」をクリック。
  3. 「メモリ整合性」をオフにする。

インストーラーを管理者として実行する

CH341SER.ZIP - Nanjing Qinheng Microelectronics Co., Ltd-
→ https://www.wch-ic.com/downloads/CH341SER_ZIP.html
  1. CH341SER.ZIPをダウンロードして展開する。
  2. SETUP.EXEを管理者権限で実行する。画面の指示に従いドライバーをインストールする。
  3. CH340デバイスをPCに接続する。 ※その前に念のためPCを再起動してもよいかもしれない。
  4. Windowsのスタートボタンを右クリック - デバイスマネージャー → ポート(COMとLPT) を開く。
  5. USB-SERIAL CH340(COMxx) があることを確認する(xxは数字)。

CH340デバイス接続時の注意

CH340デバイスはPCのUSB2.0ポートに直接接続することをお勧めします。 USBハブやUSB拡張ボード経由だったり、USB3.0ポートだったりするとPCに認識されないことがあります。

「互換性のないドライバー」の警告を消す

CH340のデバイスドライバーのインストール後、「メモリ整合性」をオンに戻そうとすると、 「メモリの整合性を有効にできません」とメッセージが表示され、オンにできません。 「互換性のないドライバーを確認する」をクリックしたところ、 SEGGER社製の組み込みシステム向けデバッグ・トレースツール「J-Link」に関連するファイルが表示されました。 CH340の動作には必要ありません。

jlinkx64.sys
Segger, oemXX.inf ※'XX'は数字。メモする。

jlinkx64.sysの削除手順

  1. SEGGERソフトウェアのアンインストール
    1. Windowsのスタートボタンを右クリック - インストールされているアプリ を開きます。
    2. J-Link関連のソフト(例: J-Link Software and Documentation Pack)をアンインストールします。
  2. ドライバーストアからの完全削除 (PNPUtil)
    1. Windowsのスタートボタンを右クリック - ターミナル(管理者) を起動します。
    2. 下記コマンドを実行します。 ※'XX'はメモした数字に置き換えます。
      pnputil /delete-driver oemXX.inf /uninstall

上記手順で削除できない場合

ファイルを直接削除します。
C:\Windows\System32\drivers フォルダーからjlinkx64.sysを削除します。

試作の様子

作成の様子 作成の様子 作成の様子
作成の様子 作成の様子 作成の様子

部品一覧  (回路図はここをクリック
部品名値/型番個数参考価格/備考
三端子レギュレータ AZ1117CH-3.3 1 30円(秋月)①
SOT223変換基板 AE-SOT223-SIP 1 5個150円(秋月)①用
USB-シリアル変換 CH340K 1 70円(秋月)②
SSOP16ピン(1mmピッチ)変換基板 AE-SSOP16P-225-1.00A 1 50円(秋月)②用
Nch MOSFET BSS138 2 25個100円(秋月)
セラミックコンデンサ 0.1uF(1),1uF(1),10uF(2) -- ()内は個数
抵抗 10kΩ [茶黒橙金] 1 --
タクトスイッチ -- 1 リセットボタンとして
USBコネクタ VBUS/D-/D+/GND端子 1 給電専用タイプは不可
マイコン ESP8684 1 300円(秋月電子通商

ESP8684開発ボード兼書き込み器

試作品は不格好で使いづらかったのでESP8684開発ボード兼書き込み器として専用基板を起こしました。リセットボタンも付けました。 背面のDTR/RTSパッドを利用すれば、それら信号ピンがあるUSB-シリアル変換モジュールをNodeMCU方式の書き込み器として使用することができます。 この場合、基板上にCH340とAZ1117-3.3は不要です(当基板を中継器として利用します)。

基板作成の様子 開発ボードの様子 書き込み器としての使用例

◆ ◆ ◆

手持ちのESP32-C3が少なくなり、秋月を確認したら在庫切れ寸前。 ほぼ互換品のESP8684を見付けて購入したらPlatformIOが対応していなかった。 …ということで始まった前回/今回の記事。無事に書き込み/利用することができるようになりました。
現時点ではESP32-C3よりESP8684の方が安価なので(440円/300円)、代用できるならESP8684はお勧めかもしれません。 書き込みが面倒ですけどね。